はんそく負け

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのはんそく負けのレビュー・感想・評価

3.0
おそらくアクション映画としては90点くらいの仕上がりなんだと思うが、ソツなく出来上がってるのも考え物だよね〜と言いたくもなる感じ。特にタンジェでのカーチェイスはお約束なので入れました、というような、そこそこ完成度が高いからこその紋切り型でひどく退屈。コミカルテイストにすることで差別化を図っているのはわかるが、しかしやっぱりそもそも要らんと思う。
ただ紋切りになっていることは作り手も認識しているらしく、だからこそ細部に注力していた印象。冒頭CGか何かで作られた若かりしインディ・ジョーンズの質感はゼメキスの映画みたいな悪趣味っぷりを感じられたし、また同シーンにてモブがどアップで撃たれて吹っ飛んでいく様も凄まじい。躊躇なく人が撃ち殺されていく感覚は全編にわたっていて、それが映画を活気づけていたのは間違いない。あるいはフィービー・ウォーラー=ブリッジが宵闇の中バイクを走らせるショットは、マンゴールドらしいノスタルジーに溢れていて忘れがたい。こういう光る細部はあるものの、まぁ全体で見ると優等生すぎますよ。