だれかさん11

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのだれかさん11のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

正直言うと、あまり楽しめなかった。
映画としては良いんだけど、インディの最後の物語としては…。



インディが考古学や歴史に以前のような情熱を持っていないように描かれていて悲しかった。
衰えではなく、人生の中で起きた喪失に打ちのめされているようだった。
見ている内にその理由も徐々に明かされるんだけど、昨日クリスタルスカル見たばかりだったので余計に悲しかった。

そんな中でヘレナとテディが救いだった。ヘレナの知識は申し分ないし、観察眼もあり楽しませてくれる。金銭目的な部分はあるけど遺物や歴史に対しての情熱を感じる。ハッタリを効かせてピンチを乗り切ろうとする姿は、かつての誰かを思わせる。
テディの可愛らしさや生意気さはショーティを感じさせてくれて、もはや有り難かった。
この2人だけが、このシリーズの好きだった要素を出してくれてた。
なんなら、インディが乗った飛行機をヘレナがバイクで追うシーンで、彼女の為にあの曲を使って欲しいくらいだった。

終盤で帰りたくないと駄々をこねるインディが情けなくて泣けた。
そのあまりの情けなさに泣きながらイライラしてしまって、ヘレナに、もうこの人一回殴って正気に戻してあげてとか思ってたら、本当に殴ってくれて思わずガッツポーズしてしまった。

そして、その後あの彼女が登場してインディを癒す。痛みはココとココのあのシーンの再現を見て、この映画はインディのセラピーの物語だったんだと思って、また涙が止まらなかった。

人の死がこれまでより重たく表現されていたり、愉快な冒険活劇では無くなっていたり、何より主人公の境遇が見ていられなかった。
これ本当にスピルバーグ?って思ったら違う人だった。そんなぁ。

初めての映画館でのインディだった。
アクションもそんなに期待していなかったし、インディパパみたいに癖のあるおじいさんインディが見られればよかった。まさかインディ見て悲しさで泣くなんて。
お疲れ様!って笑って終わりたかったな。
でも、ハリソンフォードには、今まで楽しかった。ありがとうと伝えたい。

スピルバーグにヘレナとテディの物語を作って欲しい。本当に心からお願いします!