しゅん

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのしゅんのレビュー・感想・評価

5.0
最高。素早いアクションに足元のアップのカットを挿入するモンタージュ。『ウェストサイドストーリー』と同じ、アパートを階下から登っていくカメラワーク。『LOGAN』と『フォードvsフェラーリ』の監督による老いと継承のトリロジー。スピルバーグが『フェイブルマンズ』をだした年にマンゴールドが『インディ・ジョーンズ』の終わりを撮る。しかも馬でマンハッタンを走らせ(鄙より都会へ)、潜水から急浮上し(最後の一人)、パラシュートで戦地に着陸する(ウィリーが凱旋するとき)、つまりジョン・フォードへの敬意を示した映画で。

完膚なきまでのエゴイズムとご都合主義。ハリウッド映画が終わっていく時代そのもののような映画だが、だけど涙は出ない。すべては乾いた風の中。月面着陸とナチスと古代ギリシャが衝突する、まるでピンチョンの世界。笑いで痙攣しそうになった。2023年ベスト。
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