ゆかちん

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのゆかちんのレビュー・感想・評価

3.3
40年以上続いたインディ・ジョーンズのフィナーレとして相応しい作品に仕上がっていたのでは…という感想を持てたので、良かった!

陸・海・空と、全方位の冒険。
ナチスとの闘いで締めくくり、随所に過去作のオマージュも散りばめられていて、心の中で「お!」と思いながら観れた。

そして、「勇ましくカッコいいヒーロー」というだけでなく、ちゃんと「老い」や「人生の深い後悔」を経た弱い部分を示したのも感慨深いものが。
今作るなら、必然の要素だなと。
夢を壊すかもしれないけど、描かない方が不自然だし不誠実なのかもな〜と。

ラストの展開も、「考古学者」の「最後の冒険」に相応しいなぁと納得した。

そして、過去を乗り越えて現在を生きることを肯定する…いくら過去が恋しくても、そこは自分の居場所ではなく、現在の幸せを大切にして生きていくのが人生だ…というメッセージ。
過去を研究する考古学者かつトレジャーハンターの物語として、ほほう…という着地地点でした。
若い時にあれだけ輝いていた人だからこそ生きてくるメッセージなのかもね。



アポロの月面着陸計画を巡り、アメリカとロシアが激しい宇宙開発競争を繰り広げていた1969年。インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は旧友バジル(トビー・ジョーンズ)の娘ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)から話を持ち掛けられたことをきっかけに、かつてバジルとともに手に入れた「アンティキティラのダイヤル」の調査を依頼される。
同時期に元ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)もインディに奪われたダイヤルを取り戻すべく、ナチスの残党と共に動き出そうとしていた…。




【思ったこと箇条書き】

・さすが現代の技術!一作目とは違うw
冒頭の1944年の列車内のところの若返り!
過去にこんなことが…な話を繋いで、なるほどなぁと。時代は終戦前か。
でも、一作目と40年も違うと、技術が違いすぎてあまりにも色合い含めて違うっていうのも不思議な感じがした。同じシリーズなのか別シリーズなのかというか。

・新作観るために予習ということでインディ・ジョーンズマラソンして、そのままの勢いで見たのもあって、めっちゃしょぼくれてるやんって思ってしまった笑。
すっかりおじいちゃんになり、しかも、学校の授業でもかつての人気はどこへやらの(日本の大学でも既視感のあるw)おじいちゃん教授になっていた。
弱々しいし、あの自信満々のトレジャーハンターはどこへ…という印象。
ただ、途中から、年齢を感じさせつつも、かつてのような行動力を発揮して冒険に繰り出すのはかっこよかった!
そりゃ、歳取ったなぁ〜頑張ってるなぁ〜な感じは否めないけど、それは当然やもんな。

・メインの舞台が1969年という絶妙さ。
1969年といえば戦後。そして、月面着陸などの宇宙開発、ウッドストック・フェスティバルなどなど、人々はどんどん未来に向けて目を向けていく時代。
そんな時代に考古学者。そりゃ、インディ教授、流行らんよなぁ。時代に置いてけぼりというのも、なかなかの絶妙さでした。
爆音のビートルズとデヴィッド・ボウイに反応。

・考古学者のくせに、学校の資料室?で、おそらく歴史的なものが並んでる棚を横倒しにして壊しながら逃げるの、相変わらずだなと思ってしまったw
なんかインディてそんなとこあるよね。歴史的なものやろうに容赦なく割ったり壊したりするとか。ミイラもバリバリ剥いてしまうとか。考古学者やのに。

・1944年のインディの仲間の学者にトビー・ジョーンズてのがなんか嬉しい。悪役多めの役者さんがこういう大作で割と良い役してるのはオッてなる。

・ヘレナ、現代風でカッコいい!勇敢でクレバー。イギリスアクセントも良き。でも闇ルートで歴史的なもの売るって、父ちゃん悲しむぞ。。彼女のこの冒険の目的が、父ちゃんの研究を完成させるではないんだなぁ。まあ、父ちゃんは破壊せよと遺したわけだしね。あと、道を外れているところから、インディとの冒険で目覚めていくということなのかな?

・1969年て、公民権運動の後ではあるけど、まだ差別とかありそうな中、結構キャリアありそうな黒人女性のCIA捜査官…?て思ってしまった。どうなんだろ。ポリコレ?そうではなく、私の認識不足かな。

・なんとインディの息子マットが戦死という。ベトナム戦争?
時代的に十分あり得る話でうまく繋げたなとは思ったんだけど、どうも役者の問題かなと勘繰ってしまった笑。クリスタルスカルで良い感じやったから余計。
まあ、彼の喪失とマリオンとの離婚調停で絶望感無気力感の中から再生する物語ではあるんだけど。

・マッツマッツマッツ!!理系マッツ!!
前髪振り乱して謎解きにテンション上がるマッツ!w
あと、めっちゃ色んな服着るやんw色んなマッツでしたな。

・1944年のマッツそんな若い風に見えないwあと、あのぶつかり方、絶対首取れてるやろ。なんで無事やねん。ロケット開発できるだけの頭脳持ってるねん、、。

・サラー嬉しい!嬉しい!!
なるほど、中東戦争によってアメリカへ移民としてやってきたのね。ここもうまく時代背景と繋げてるな〜。

・アントニオ・バンデラスの扱いよ!
悪役ではなく、スペインルーツを活かす明るくて良いやつを演じてるのは嬉しいけど、え、それだけ??という。少し残念。

・アルキメデスの遺体が入った棺に、プロペラのついたドラゴン、アルキメデスの死体には腕時計。これはアルキメデスは未来に来たのか?いや、まさか未来から誰か来たのか?て思ってたら、そのまさかでした笑。

・トゥクトゥクてそんなに走れるんですか!笑
トゥクトゥク自身もびっくりしてそうw

・クレーバー色白やな!そして、しぶとめ悪役。

・マッツ演じるフォラー、最後の悪役だから強いのかと思いきや、あくまで理系科学者なんやね。残酷だけど、割と(ま)抜け感があるというか笑。

・色んな仕掛けを解き明かしながら洞窟探検は良かったなぁ。

・インディの古代ローマに残りたい発言は、考古学者の夢であると当時に、マリオンと息子のいない生活からの逃避というところに悲しくなった。確かに、戻っても…て感じだもんね。現代に思い残すことはない、今の自分には人生をかけて研究してきた歴史の時代しかないというの、なんか悲しい。
でも、そうはいかない!と彼を連れて帰る方法が説得だけでなく、ヘレナのワンパンてのが笑ったw
そこから、過去に囚われず、今を生きることに導くという。

・やっぱマリオンやんね!最後のキスで素敵な回収。マリオンやヘレナ、テディ、サラーという仲間たちに囲まれて今を幸せに生きてほしい。てか、テディは法的にアメリカに住めるんかな?

・ラストは、再び冒険へ?というオープンエンド。

・最後に正統派?なレイダースマーチが流れなのが良かった。アレンジそんなにされてないのが良い。


【気になってしまったところ】

・乗り物とかアクションは、40年前と違い、今では色んな映画で作られてるからか、既視感もあったし、わざわざインディじゃなくても感はあったかなぁ。みんなインディを元ネタにしてたんやろけども。
・アントニオ・バンデラスはカメオ?
・長いといえば長いかな笑
・フォラーについて深掘り欲しかったかも?せっかくマッツやのに、さらっとしてたなと。


【気づいた過去作想起…順不同】

・馬で駆け回る
・ナチスのサイドカー付きオートバイ
・大量のムカデや蜘蛛
・少年の相棒
・その少年が運転する
・飛行機から飛び降りる
・ヘビ嫌いなのでウツボにビビる
・マリオンとの痛く無いところへのキス
ゆかちん

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