アーモンドフィッシュ

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

4.1
Twitterの評価が極端に二分されている本作。賛否がこれほど割れたのは、「最後のジェダイ」以来ではないかと感じています。子供の頃からインディ・ジョーンズが大好きな私としては、もし見るに耐えない出来栄えだったらどうしようという思いで、なかなか観に行く決断ができませんでした。

以前、「007」が最強の映画シリーズだと私は述べたことがあります。その理由は、シリーズが俳優の交代により、半永久的にシリーズが続けられるからです。その一方で、インディ・ジョーンズはハリソン・フォード以外考えられないとも語ったことがあります。つまりハリソン・フォードがいなくなると同時にインディ・ジョーンズも消えゆく運命なのだと…そして今年でそのハリソン・フォードが80歳を迎え、彼の年齢的にも、そしてインディ役がハリソン以外ありえない唯一無二であることからして、本当に最後の作品だと感じ、寂しさを覚えました。いくつかのレビューではインディが老け込んでいると嘆く声も聞こえますが、「ヤング・インディ・ジョーンズ」をドラマで観ていた世代の私としては、老人のインディには全く違和感を感じませんでしたね。

評価が分かれましたが、私は個人的に本作はとても良かったと思っています。気持ち悪い虫が出てくるシーン、悪役とのカーチェイス、謎の洞窟に踏み入るシーンなど、インディ・ジョーンズの要素をしっかりと盛り込んでいると感じました。マッツ・ミケルセンの悪役もまた素晴らしかったですしね。サメと思わせるシーンではテンションが爆上がりしました(私だけ)

ただ、残念だった点は、これまでの作品で描かれていた古代文明の超自然的な力が本作では薄めに描かれていたことです。つまり、それまでのインディは、我々が現在目の当たりにできない大昔でも、確かに超自然的な存在があったと説得力を持って描写することが非常にうまかったのです。だから終盤に”あれがああなってああなるシーン”は余計で、そこは観客に想像の余地を残すべきだったと感じました。そういった点で、スピルバーグの巧みさを再認識しました。

今回の作品で驚いたのは、ディープフェイク技術の進化ですね。そのレベルは「もう俳優は必要ないのでは?」と感じさせるほどで、ハリソン・フォードが同意すれば、インディ・ジョーンズシリーズは永遠に続くのではないかと思わせます。

もし今後、続編が出来たら必ず観に行きますよ。だって私の中でインディは永遠のヒーローですから

今までありがとうインディ…そしてお疲れ様。