YukiSano

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのYukiSanoのレビュー・感想・評価

3.8
時代の終焉を伝える最終作。
主人公の衰えとシリーズの衰退とハリウッド活劇の終焉の全てをメタ的に表現しているかのようだ。

スピルバーグからバトンを受け継いだ男はジェームズ・マンゴールド監督。死に行く男達を描かせたら右に出る者はいない職人監督。

ならばインディはどう完結するのか不安だったが、良くも悪くも ぬるま湯完結編だった。

奇しくも、このインディ・ジョーンズシリーズの後継者の如き大活劇を担っていた「ミッションインポッシブル デッドレコニングPART1」と同じような列車アクションと泥棒猫ヒロインが出てきて驚いた。そして、この2つが同じ年に半分コケたのが象徴的。

ミッションはCGに頼らず、インディはCGまみれになった。その対比が悲しいのだが、両方とも時代遅れがテーマであり、そして それを興行成績で体現してしまった。

全盛期は過ぎて老いたヒーローが辿り着いたのは過去への逃避。しかし、それを許さない周囲の人間たち。

これはハリウッドそのものの皮肉にしか見えない。

不良債権化したシリーズを押し付けられ、ルーカスもスピルバーグもトンズラした完結編に引導を渡したマンゴールド監督。意外とまだ続けられる余白を残して終わらせた。

無いとは言い切れないハリウッド。
でも、とりあえずハリソンフォードにお疲れ様と言いたい。


個人的には序盤はスター・ウォーズ エピソード7のように行方不明になったインディをヘレナが探すの話にしてほしかった。それこそ、失われた秘宝(冒険心)を我々が取り戻す物語になったと思うから。
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