大道幸之丞

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

謳い文句は「インディ・ジョーンズ最後の挑戦」とあり、スピルバーグは監督をジェームズ・マンゴールドへ譲り自身はプロデューサーに回る。

物語はナチス兵が溜まるどこかの洞窟。そこへナチスの将校服を来て頭からズタ袋を被せられている男が連行されてくる。

だれでも「ははあこれはインディだな」と気づく、そこからは「ロンギヌスの槍」が偽物でむしろ「アルキメデスのダイヤル」の方が危険である事と、それをナチスの手に渡さんとインディが列車の車上で大立ち回りを友人の考古学者バジルを振り回しながら繰り広げる。冒頭から一気呵成にストーリーは展開する。

やはり考古学者でもあるインディが冒険をするきっかけにはナチスが関わる事が多いように思う。それは近代史のなかで、戦利品として美術を略奪するという蛮行や悪魔の力を借りてでも戦争に勝とうとするヒトラーの野心を
利用しやすいからでしょうか。

今回は冒頭のバジルの娘ヘレナとの物語で老体に鞭打って果敢にフォラーと戦う。「アルキメデスのダイヤル」が揃い動作させ「時のさけめ」に飛び込むとそこはアルキメデスが亡くなるとされている「第二次ポエニ戦争」最中のローマだった。

フォラーを追って難着陸を余儀なくされたインディの前には好奇心とともに落下現場に駆けつけたのは誰あろうアルキメデスその人であった。
インディは「ここに残りたい。私の人生はあなたに会いたいがためのものであった」とさえいうがヘレナは必死に、強引にインディを翻意させ現在へ戻るように促す。

インディには妻マリオンと別居しており現在の自分の場所には戻りたくない事情もあった。

しかし戻ってみるとそこにはケガをしたと聞いたマリオンが訪ねてきており、ヘレナ等は気を利かせてそこを立ち去る。インディとマリオンはやり直せそうな雰囲気を醸し出してエンド。

本作は多分に007シリーズの影響もあるのか、全体的にウイットに富んでおり、敵方も同情したくなるような間抜けさもある。
毎回間違いのないスペクタルと冒険が約束されたこのシリーズはここまで随分楽しませてもらった。ただしこちらも「こんなふうに展開するのだろう」というパターンを想定できもする。「ああ、これで最後なのか」と惜しむ心があるが、ちょうど潮時なのかしれない。

まあ当面はディズニープラスのインディジョーンズコレクションでも観ようかなと思った私でした。