よしまる

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのよしまるのレビュー・感想・評価

3.1
個人的にいま最も信頼のおける監督であるジェームズ・マンゴールドということで大船に乗った気持ちで観ていたのだけれど、船があまりに大きく、ゆったりすぎてちと退屈だったかも🤣

ルーカスとスピルバーグがタッグを組んだ唯一のシリーズ(あ、アニメではリトルフットがあるかw)は、息付く暇もないジェットコースタームービーであり、スピルバーグ特有のちょっとオカルティックなお遊び要素、よしんばグロ要素も散りばめつつの活劇ロマン。例えばスターウォーズや未知との遭遇のような大スペクタクル、ではない、ところが愛される理由だったと思う。言ってみればオッサンのジュブナイルw

ところがルーカスフィルムがディズニー傘下になって以来、SWのシークエル3部作を観てもわかる通り、ルーカスは自身の作品への情熱を欠いているようにしか見えない。おそらくフランクマーシャル主導で進められたのだろうか、良くも悪くもスピルバーグ色さえあまり感じられないインディとなった。
ならばこそのマンゴールド起用なのかもしれないけれど。

舞台は第二次大戦末期、ナチスドイツとの攻防から始まる。つまりは最後の聖戦とクリスタルスカルの間の時期で、インディの年齢としては40代くらいの設定。

これを最近流行りのCGによるディエイジングによって再現しているのだけれど、顔はそれっぽく仕上げられてもやはり動きは誤魔化せない。敵役のマッツ・ミケルセンももう50代後半。ほぼ80と60の身体で列車アクションなんてそれだけで冗長になるのにまあやたらと長い。
このプロローグの長さが作品全体のなんかたるんたるんな感じを象徴していた気がする。

いくら技術があがっても、こうした回想シーンはやはり違和感を持たれる前にできるだけ時間を絞ってササッと見せるべきだよね。

それにしても前回レビューした「MIデッドレコニング」とのなんと類似点の多いこと。2つを組み合わせるマクガフィン、カーアクションに列車アクション、仲間をやられたりすぐに捕らえられたり、どうにも独創性のないシーンが目白押し。
どちらもビッグコンテンツゆえに冒険しにくいのか、それとも胡座をかいているのか。ビッグサンダーマウンテンに乗りに来たのにイッツアスモールワールドだった、みたいなコレジャナイ感があった。

そしてトドメの共通点に字幕戸田奈津子。
いやもうとんでもない意訳の連発は相変わらずで笑うしかないんだけれど、アルキメデスの「ユリイカ!」を平気でスルーするような独りよがりな翻訳はさすがに時代とかけ離れていて哀しい。

と、まあなんだか前回に続いてついdisり気味なレビューになってしまったけれど、考古学者インディとしては大満足の経験を経てハッピーエンドへと至ったのだからすごくめでたしで良かったし、このファンタジー感については好き嫌いが出て当然だろう。しかしながらこれで最期と思えない、モヤっとしたエンディングだったことも確か。
ラストショットも、「あとでもっかいやり直します」と言い出しそうな雰囲気を感じたのはボクだけだろうか。