10円様

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルの10円様のレビュー・感想・評価

3.7
 やっと鑑賞しました。配信されてから今まで手を付けてなかったのは、やっぱり監督交代って所と、何と言っても「インディジョーンズと運命のダイヤル」ってタイトルのダサい事ダサい事…「と」はいらん!これがあると一気に子ども向けに思える。
 スピルバーグはクリスタルスカルの王国を自ら失敗作と認め、15年も経った後に続編作るなんて、レイダースから知ってる人達への感謝みたいなものでしょ。40〜50代以上の方々が最もインディアナの最後の勇姿を楽しみにしてるわけだ。なのになんだこのファンタジー丸出しのタイトル💦

 とは言えこれは良い意味でファンタジー映画でした。クリスタルスカルの王国ではスピルバーグの変な所が出ちゃって、インディジョーンズではやってはならない事をやっちゃった感じです。本作もそうなんですけど何だか考古学のロマンを感じたので許せました😊
 まず、冒頭。インディが若い!その後に1969年のインディが映って、経年の無情さを感じますが、ハリソンフォードは歳をとって更に渋みが増して凄いです。

 今回のパーティはインディとヒロイン、そして子どもの3人編成。これは私の大好きな「魔宮の伝説」と同じで懐かしさを感じました。しかも今回はインディ以外の2人のスペックが高いです。学者だったり何でも操縦できる子だったり。
 インディジョーンズシリーズに欠かせない要素、お約束要素も出てきます。実際に存在する秘宝に物語を作り、考古学を空想劇に発展させる。カーチェイスしながら秘宝を奪い合ったり仲間を引っ張り合う。洞窟の中で騒動がある、敵がナチス等、観ていて安心感がありました。
 また、過去作でのエピソードもインディの口から語られるシーンもあり、ちゃんと続き物なんだと証明してくれて良かったです。

 ただCGとかめっちゃ使って、映像とかは壮大なんですけど、市街地や洞窟のセットがもろ作り物感があり、そこだけ昭和に戻った感じです。ハリソンフォードも歳だからか大きなアクションもなかったし。

 しかもヘビ🐍は今回いなかった。
 もしかして克服したのかな?

そういや最近よく映画で見かけるトビージョーンズですが、インディと同年代な感じで描かれてますが何と57歳らしいです。ハリソンフォードが81歳…

 色々賛否あった本作ですが、個人的には割と良かった印象です。と言うのもラストシーンですよ!もうほんとに考古学や歴史学のロマンが詰まった展開で感動しました!

🈲ネタバレ🈲












 ラスト、ダイヤルの力で紀元前214年、シラクサ包囲戦の真っ只中にタイムスリップし、そこでアルキメデスと遭遇します。
 インディはこの歴史を自分の目で見て現代に帰りたくないと願うのですが、学者にとってはそれは普通の感情なんだと思います。
 歴史の壮大さからみると、銃器や戦闘機をもったナチスなんてほんとちっぽけな存在で、モブの様に即退場でしたしね。
 本作では「敵と闘う」という事よりも、我々は歴史の中のほんの一瞬を生きてるだけの無知な存在であり、真実を知った時に信仰に目覚めるかのような衝撃がある。と言う事を描きたかったのではないでしょうか。
 インディジョーンズらしからぬとんでもない設定も、こういう最後ならインディっぽい。

 ちなみNetflixで今「TPぼん」という藤子F不二雄のアニメがリメイク配信されてます。まだ観てないんですが、こちらも歴史ファンタジーで面白いんですよね。(昔のアニメは観ました。)
 タイムトラベルものではルールとして、過去には干渉するな、現代の物品を残してくるな。ってのがよくあります。バタフライ効果でちょっとの改変で現代は大きく変わるから。ってやつです。
 でも藤子F不二雄先生は歴史を一つの生き物と見ていて、歴史にもホメオスタシスがあると解釈しています。
 つまり今回、仮にナチスがシラクサで兵士をバタバタ殺戮しまくったとしても、歴史が自動修正をして現代のイタリアの人口はほんの少しの差異があるだけ。との事です。
 
 TPぼん。たぶん面白いからぜひどうぞ!
10円様

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