Parry

地中海のParryのレビュー・感想・評価

地中海(2015年製作の映画)
3.3
観てからずっと心に残っている、カルピニャーノ監督の次作「チャンブラにて」の主人公、ロマの少年ハスラーピオも登場。
ピオちっちゃ!ちっちゃいのにクリスタルのスタッドピアスがおしゃれで不敵な態度 すでにタバコを吸っていて大人と一人前に交渉する。
主人公はこの時はピオにタバコをあげてしまうが、これから先のチャンブラにてではピオをなるべく危ない犯罪からは遠ざけようと振舞っていた。
主人公は子供に仕事を邪魔されてもおおらかでどこか楽しそうな節さえある表情。子供好きなのかなとか、故郷においてきた娘を他所の子に重ね合わせてるのかなとか想像させる演出。

チャンブラにてよりも映像がびっくりするぐらい美しい。特に夜の電車や街の夜景には淡々とした美がある。
炎と蛍光灯に照らされた主人公の顔、肌の質感の撮影も生活感と非日常が同居していて美しかった。ムーンライト以前にこの映画があったんだ。

映画の作りも淡々としている。
アメリカン・ハニー、Girlhood,ソニータに続きこの映画でもリアーナは苦しい環境にいる若者たちの希望。主人公の着信音のwe found love, 移民たちが集まるアパートの一室で女性がノるS&M
みかん農家のおばあちゃんの労働者だからか外国人だからかわからないけど子供扱いする、彼女なりの思いやりはあるけどナチュラルに見下してる感な〜

カルピニャーノ監督チャンブラにてでも最後ポップミュージックでエモに押し流してきたよね 泣いたけど リアーナの駄目押しじゃん
ラスト娘がリアーナで踊るところをスカイプ越しにみて涙を流す主人公役の俳優さんの演技が良すぎ
ラストのイタリア語の曲良い イタリア語の曲でパーティーする中に入っていく主人公の背後、ぼやけたカメラのラスト ここで生きていくのかな
エンドロール:ハッシュパピーの監督のベンザイトリンが音楽で参加してんじゃん!
カルピニャーノ監督の次回作も必ず観たい。
Parry

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