M少佐

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグのM少佐のレビュー・感想・評価

4.5
 ダンダダダダーン ダダンダンダダン
ダンダダダダーン ダダンダンダダン!

ローマの町のドチンピラ。
一匹狼は聞こえが良いが引き籠れない程度の引ったくり犯。
警官に終われ川に逃げ込むが核廃棄物のドラム缶に体を浸してしまう…
ヤバイ仕事の最中にケチがつき、ビルから転落、しかし目覚める男。
何故か体にみなぎるパワー!
よし、ATMを盗みに行こう。

なんかイタリーってエロいわ。
にじみ出るエロス。
あと底辺の人達の、やさぐれ感。
なのにお洒落だ腹の立つ。
あとチンケなヤクザ者達。
マフィアとも呼べない連中のクセに色々と容赦ない(笑)
主人公もチンピラなので、ほぼ正義の行いはしない。
だいたいパワーは悪い事に使う。
人間らしい。
そのくせ最低限の人間味は残っているのだから微笑ましい。

全編を彩る「鋼鉄ジーグ」へのオマージュ。
いや、見る前は味付け程度のジーグじゃろ?なんて思ったらガチでジーグありきのストーリー。
…監督の頭の中を心配をしてしまう。
ちなみにイタリーで、一番人気アニメはルパン三世。

有りがちな見慣れた人情ヒーロー等身大アクションではあるが、だからこそ「鋼鉄ジーグ」を知らなくても楽しめる。
イタリーの首都と言えども裏を返せば、こ汚ないと言うことも堪能出来る。
東京も人の事を言えない。

70年代アニメの悪役って極悪非道で残虐魔王ばかりなのに、何処か憎めない間抜けな演出が非常に多かった。
これは原作者、永井豪先生の功績に他ならない。
エロ、ヴァイオレンス、アクション…永井豪ジャスティス。

悪役のお兄さんのアニメ的演技は一見の価値があるので機会があれば是非。
M少佐

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