鮎

愚行録の鮎のネタバレレビュー・内容・結末

愚行録(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

『格差社会じゃなくて階級社会』

この言葉に納得してしまった。


カーストというものが
近年取り沙汰されているけれど
なんだかそれを
よりリアルな現実世界に落とし込んで
暗く上手く表現している
そんな作品なのではないかと。
個人的な意見ではあるがそう感じた。

女性たちの境遇を軸にして
話が進んでいく感じも、
女性ならではの学生時代からの
"あの感じ"を表現していて
とても見応えがあった。

頻繁に出てきたとりまきの男たちの
何も考えていないような
欲に忠実な感じも
呆れるほど現実味があって
胸糞悪さすら感じた。

キャスティングに拍手。
邦画ならではの空気感に
ベストマッチだったと思う。


人はどんな境遇であれ
自分が育った家庭を求める
と、どこかで見聞きしたことがある。
そこらにたくさん散らばっている、
心理学的な本を読むよりも
この作品の方が正直考えさせられた。

多数派に受け入れられるかは怪しいが、
少数派として生きてきた自分としては
刺さるシーンばかりだった。
鮎