ブラックユーモアホフマン

愚行録のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
3.7
現実にも実際にある色んな嫌さを煮詰めたみたいな話。
『あのこは貴族』でも描かれた某大学の暗黙の階級制度みたいなのを下敷きに、『オールド・ボーイ』的なのとか『プロミシング・ヤング・ウーマン』的なのとか『ヒメアノ〜ル』的なのとか色んな嫌さが詰め込まれてた。
前半の殺人現場のシーンは『GONIN』の竹中直人の家を思い出したな。冒頭から、主人公もまた不安定な家族の問題を抱えているというのを示すあたりは『CURE』や『その男、凶暴につき』的。

構成は途中まで『ある男』とほぼ同じで、自分の家族にも不協和音が流れる妻夫木聡が探偵役となって、ある事件の背景を追っていく、というものなのだけど、後半は違った。

中村倫也の演技が一番いい。

【一番好きなシーン】
始業式の日を間違えた二階席の二人を写す引きの画。