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オールド・ジョイのhabakariのレビュー・感想・評価

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
3.5
決定的な何かを映していないのか、あるいはそんなものは存在しないのか。その語りの意図的な曖昧さの一方で、演出はしごく明晰。コミュニケーションの断絶を過度に強調するのではなく、強弱や方向の微妙な差異をそのままの形で切り取る手捌きの生真面目さ(キャンプでの一幕はもとより、車から降りない男と先に乗る男の対比とか)。オンとオフの音の出し入れによる距離感の補強、おもちゃの拳銃と犬のアクションへの貢献。
厳格かつペーソスの効いたラストはどこかカサヴェテス風味があったり。
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