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オールド・ジョイのtokiwa3256のレビュー・感想・評価

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
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ヴィム・ヴェンダース監督
『PERFECT DAYS』
ケリー・ライカート監督
『ファースト・カウ』を鑑賞。
ただ、これらのレビューは来年かな。

そんなわけで、今年最後のレビューは
ケリー・ライカート監督の長編2作目
『オールド・ジョイ』
最後がこれなのは我ながら渋い^ ^

これは冴えない中年男2人が一泊で山ん中の温泉に行って帰って来るだけの「クソどうでもいい」ような しょうもない映画で、オススメするには気が引けるが...
アタシは3回リピートしたほどジワジワと嵌まってしまった作品。

恐らく個人的経験か?(若い頃の友人とのLA〜ヨセミテのドライブ旅)もしくは、男2人が持つそれぞれの価値観を自分自身がどちらも備えていたからなのか?(今では資本主義の走狗に成り下がってしまったが...)

クルマからは民主党系のなんとなくさえないラジオ番組が流れる。そしてどんよりとした曇天の中でのドライブ。車中の会話はなぜかしら一向に噛み合わない。。既存のロード・ムービーとは全然違っていて凄く斬新。そして劇伴の激渋さ。

あとはなんと言っても、次作の『ウェンディ&ルーシー』に繋がる、犬の(ルーシー)のお利口さんな事。

テントシーンの妙な空気感、温泉シーンの妙な緊張感、そしてラストの(観客に多くを見せない、語らない)カット。

この作品があの名作『ブロークバック・マウンテン』の別次元低予算アンサーでもある、という意見に自分も1票。(テントシーンでも立ちション場面とかいろいろオマージュが)比較するにはあまりに違いすぎるのでそれをわざと感じさせない、というのが逆にイイ。この映画を観た(ヒース・レジャーの妻役で実際に長女を出産した)ミッシェル・ウィリアムズが「どうしてもライカート監督と一緒に仕事をしたい」と懇願したことがその証左なのかも。

正直な話、フィルマをやっていなければ
ケリー・ライカート監督作品なんて
恐らく観ていなかったかも。
「Filmarksの運営様・フォロアー様・レビュアー様 ありがとう!!」で今年を締めくくる。
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