藍紺

オールド・ジョイの藍紺のレビュー・感想・評価

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
4.0
中年男が昔の旧友とキャンプに行き温泉に入って帰郷。あらすじだけ書くとなんてことない物語なのに、確実に心にザラつきが残る。そんな作品だった。

昔は仲が良かったのだろう、しかし今となっては遠い日となっているようだ。彼らの会話のやり取りから感じる明らかな温度差。カートが寂しさを吐露するが軽く受け流すマーク。根無し草の様な生活をしているカートともうじき子供が生まれるマークとではもう根本的に違いすぎる。大自然の中、同じ時を共有していても、2人の間にはどこまでも深い溝が出来ている。もう二人は会うことはないのだろう。夜の雑踏を歩くカートの姿と、カーラジオで政治討論番組を流し続けるマークが頭から離れない。


“悲しみは使い古した喜びなのよ”
このセリフに心をグッと持ってかれました。これって人生そのものだよな、うん。
藍紺

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