ヒチ

オールド・ジョイのヒチのネタバレレビュー・内容・結末

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

良すぎて何百回も観れそう。旧友のおっさん2人がキャンプする話で、迷いのないミニマルな構成が気持ちいい。

カートは「あの頃」のように無邪気に旅することができると思っていたが、マークはそれに上手く応えることができない。旅が終盤に差し掛かるにつれて、お互いの接点が無くなりつつあること、昔のような関係性にはもうなれないことを2人とも悟ってしまう。キャンプ場の風呂の敷居が2人の間に出来てしまった溝を残酷にも示していて切ない。そして、もはや他人になりつつある旧友に唯一できることが無言のマッサージだというところが泣ける。もう無邪気な「あの頃」には戻れないというのは、劇中で流れ続ける政治関係のラジオに象徴されるように当時のアメリカの情勢も関係してるんだろうな。

自分も大学入学を機に地元を離れて友人との関係が少し遠くなってしまったので、カートの気持ちが痛いほど分かる。人との関係性というのは時と場合によって簡単に変化してしまい、それは友情も例外じゃない。それってやっぱり悲しいことだよね。
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