生田斗真がホントにすごい。
動きから雰囲気まで何もかもが女性。1番凄かったのは、あの優しい表情。あんな優しい顔できる男の人いるんだって普通に驚き。
LGBTを扱った作品もいくつか見たけど、ダントツで女性らしい役だった。それでいて、自分ではどうにもできない手の大きさや、子供を作れない体に葛藤する表情も完璧すぎた。
『脳男』とかのイメージが強かったから、そのギャップもありめっちゃ驚いた。
LGBTとか、今までの社会では受け入れられなかったマイノリティを受け入れられるかどうかって、身近な大切な人にそういう人がいたかどうかが、価値観の1つの要因だと思う。
トモも、もともとは女の子っぽいカイのことも疎ましく思っていた。だけど、母親がいなくなって、母親以上に優しく接してくれるリンコと出会い、彼女の苦しみも少しずつ理解していった。
トモにとっては、強制的にリンコのことを知ることになったけど、だからこそ広がった世界もあると思う。
印象的だったのは、トモが病院でカイに、「絶対にそんなことない!!」と断言したところ。リンコと出会う前だったらそんなことは言えなかったはず。
でも、現実世界において、自分の思考や価値観、嗜好を認めてくれる環境って実はあんまりない。本来なら、親や生まれた場所がそれだけ安心できる場所であったらいいけど、そうじゃない人もたくさんいる。
自分が自分のままでいいと教えてこられなかった子供は、自分を信じられない大人になっていく。
世の中の家族の何割がそういう環境なのかは分からないけど、自分を偽って生きている子供は絶対に存在するんだよなぁ。
現状そういう家庭に生まれてしまったら我慢するしかないのがもどかしいなぁ。