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彼らが本気で編むときは、のぴのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
3.0
生田斗真が思っていたより女性に見えてよかったという感想が、色んな映画が増えることでなくなっていくことを願う

本人が手の大きさや胸がないこと、気にしてしまうのはとても分かるのだけど、それを周囲が押し付けるのは違うと思う。
その人の手がどれだけ大きくても胸がなくても、それは色々な女性がいる、ということでしかないので、女性に見える、というのは褒め言葉ではないし、女性にしては、というのももちろん。
飲み込まなくて良いことを、飲み込まざるを得なくしている現状に悔しさを感じた。
同じように怒る人が周囲にいても、どうしても変わらない周りが悔しい。

リンコは丁寧な言葉遣いとか物静かな動作で演じられているのに対して、シス女性の役は、めっちゃくだけた話し方をする人が多い印象で、対比として描かれているのかなと思った。
トランスの人が性転換手術をする際、自分がどれだけ反対の性を望んでいるかや自身の身体への嫌悪感を訴える必要がある。そうしたプロセスでジェンダーステレオタイプを医療制度から求められているような感じなので、それを踏まえて観ていくと、たまに砕けた喋り方をしたり、自転車爆漕ぎで叫んでるシーン見るとうれしくなる。


トランスジェンダー女性の役者はいないのだろうか。商業的に売れている役者を使うのだろうけれど、丁寧に描写しようという映画だからこそ、機会均等について考えたときに、ジェンダーマイノリティの役者を抜擢することが選択肢としてあってほしかったなと思いました。
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