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彼らが本気で編むときは、のSSのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
4.2
とてもよかった、好き。

2017年で、LGBTQど真ん中の作品を邦画で作ってたんだ…!という今更の衝撃。
チョコレートドーナツとか、ミッドナイトスワンを彷彿とさせるけど、やはり荻上作品なだけあって、美味しそうなご飯や、それをにこにこ囲む人々の画がとても映えてて印象的だった。

トモちゃんが、基本的にはリンコさんの味方なのが、この作品を安心して観きれた大きな要因だったなあ。
冒頭でも拒絶はなかったし、色んなうんこリプが投げつけられてもこの構図が維持され続けてたから、あたたかい作品としてずっと観てられた。

そして生田斗真さん演じるリンコさんが本当素敵。
トモちゃんを布団に招き入れる姿なんて完全にお母さんだったもん。
人との距離の取り方、気持ちの伝え方、言葉の紡ぎ方、女性としても人としても見習いたいくらい魅力的な女性だった。
ケンカした後にラムネと糸電話、絶妙すぎて唸っちゃったよ。

わたし自身親子関係は色々あって、それでもやっぱり母親に好かれてたい見捨てられたくないって思いが強い人間だから、トモちゃんの行動とか、ほんと涙が出る。
親につけられた傷を、無意識的に自分の子供にもつけちゃうのが、子育てなんだって。
だからトモちゃんのお母さんもやっぱりそのお母さんに充分に愛情をもらえなかったりとか、あったんだろうなって。
そういうニュアンスが伝わるような場面がいくつかあったのも、現実的で好感が持てた。
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