もう、ギャン泣きしましたよ(T_T)。
何歳になっても"母娘"の映画に弱いのです(T_T)。
実話ベースでしたか…。
元フランス大統領のリオネルジョスパン氏の母が尊厳死を遂げたこと。
そのことをジョスパン氏の妹のノエルシャトレが小説に綴り、その小説を元に映画化したもの。
"ある意味で"実話ベースで良かったと思いました。
92歳のマドレーヌおばあちゃん。
"自分で出来なくなった事リスト"をノートにつけています。
そして自分の92歳の誕生日に集まった家族の前で"自ら命を絶つ事"を宣言します。
戸惑う家族たち。
兄ピエールは大反対。(元大統領のモデルかな?)
それでも妹のディアーヌは少しずつ母の決意に寄り添ってゆくのですよ。
母の意思を尊重しようとすればするほど、家族が敵になってゆく悲しさもあり…。
92歳だけれど、認知症でも無い。
杖を使って歩ける。
元気で今もなお恋もしている。
一人暮らしだけれど、同じアパートメントに住む黒人の青年が優しくしてくれる。
そして、陽気な黒人女性のメイドさんが毎日数時間だけ来てくれる。
彼女はマドレーヌの意思を尊重してくれる。
"尊厳死"というテーマでありながらも決して暗い映画では無く、ところどころ差し込まれるコメディ要素もあってとても観やすかったです。
そしてマドレーヌおばあちゃんの"終活"
たくさん手紙を書いたり、部屋にある物を誰に譲り渡すかポストイットを貼って行ったり…。
娘ディアーヌの幼い頃の切ったお下げ髪を箱に入れて取ってあったり。
マドレーヌの孫にあたる(ディアーヌの息子)マックスのキャラがとても良くて、頭空っぽっぼいけれど、何気に"おばあちゃんっ子"
ところどころ差し込まれる幼い頃の母マドレーヌと娘ディアーヌの8mmビデオ。
真っ赤なドレスで母娘とのダンスシーン(T_T)。
娘のディアーヌが母が"自死"を決行する日まで寄り添う姿が泣けて来て泣けて来て…(T_T)。
一緒にお風呂に入ったり、
このパケ写のディアーヌがマドレーヌをおんぶして走ったり(このシーン、ギャン泣きでしたよー。)…
母の想いを寄せる男性の元に連れて行ってあげたり…。
"決行の日"
ライスプディングを作るディアーヌと
薬をすり潰してヨーグルトに混ぜるマドレーヌの姿がリンクさせるような映画の作り。
ラストは私好みのスパっと終わるラスト…にして欲しかったけれど…。
そうでは無かったのが惜しい…。
マドレーヌを演じたサンドリーポネールさんの演技が自然で、とても可愛いおばあちゃんだったのがまた良かったなー。
まだご健在の女優さん。
この台本を貰った時、どんな気持ちだったのだろう…。
そして、マドレーヌと同じ病室で隣のベッドで入院していた高齢のおじいちゃんが言った言葉
「夜は眠るためにあるものでは無い。夜は歌って踊るためにあるもの」
この言葉が響きます。
ここで流れてくる音楽のシーンも好きでした。
元助産師で活動家だったマドレーヌ。
デモに参加したりね…。
夫以外に4人の男性と不倫の恋をし、そのうちの一人とはまだ文通して恋が続いていたり…。
92歳で紙オムツを嫌がるなんて、どれだけプライドが高いのだろう…。
戦争も経験しただろうし、人生を謳歌して来たマドレーヌだからこそ、暮らしてゆくのに不便を感じた時、自分の命は自ら終わらせようと思ったのかもしれないですね。
そう考えるとマドレーヌの気持ちが分からなくも無いです。
歳を取って、生活するのに誰かに迷惑を掛けるから…。
とか
そんな人は"死ぬべき"と言うことを訴えてる映画では無かった事。
それが良かったと思いました。
障害を持っていようと、歳を取っていようと、ワンコだろうとニャンコたろうと、生きる権利はあるんですよ。
だって、人間なんて、生きてるだけで、誰かに助けを貰っているんだもの。
必ず。
"尊厳死"…"安楽死"の是非は私には分からない。
自分が病気で苦しんでいて余命いくばくも無かったり、そしたら考えるかもしれない。
「世界一キライなあなたに」
と
「最強なふたり」
を併せて観ると良いと思います。