森野樽児

ラプチャー 破裂の森野樽児のレビュー・感想・評価

ラプチャー 破裂(2016年製作の映画)
2.0
蜘蛛嫌いのシングルマザー主人公が突如謎の集団に攫われて不気味な実験を行われるというスリラー作品。
理不尽に何の理由もなく突如日常が奪われるのはどの作品でもかなり怖いなと感じますが、本作はそこからさらに「奇妙で深不快なサスペンススリラー」と銘打つからにはさぞ精神的グロが味わえるのかと期待しましたが、結果的にはかなりガッカリでした。

何が起きてるか全くわからないまま淡々と"何か"が進行していく前半は割と不気味でハラハラと楽しめます。個人的にはそもそも拘束された人を見るのがかなり怖いので、不安感だけがどんどん増していく状況は結構良かったです。
しかし後半、主人公がアクティブに動き出して真相が見えてくると次第にガッカリ度が高まります。

「不気味な連中は何故謎の実験を繰り返し謎の行動を取るのか!?」→「そういう連中だから」
みたいな何のスッキリもしない真相。
遺伝子の話がメインとなる為、もう少し様々な事柄にハッタリでも生物学風の説明をつけてくれるのかと思いましたが、上述したように「そういうものなんで」って感じであっさり片付けられてしまうのが非常に残念。折角ここまで見てきたのに。
色々要素は悪くなかっただけに、中身がないまま終わってしまって惜しい作品だと思いました。

ただ主人公の脱出にかける気合いと行動力は凄まじかったです。
危機管理もできてるし応用力もある上に割と思い切って行動する。そこは見てて普通に楽しかったです。吹替版の松本梨香の演技も良い。
母は強しって感じでした。
森野樽児

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