ざき

ドラゴン・タトゥーの女のざきのネタバレレビュー・内容・結末

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

冒頭ツェッペリンのインダストリアルなカバーからすぐにピンときた方もいるだろうが、劇伴は「ソーシャル・ネットワーク」からデヴィッド・フィンチャー監督とのお仕事としてお馴染みな、トレント・レズナー、アッティカス・ロス from NIN。

一発で彼らとわかる所謂「数値化されたノイズ」による黒い音と、深い雪の降る白とのモノトーンな舞台背景は、ただでさえ重みある物語にさらなるプレッシャーをかけ、鑑賞体験をより豊かなものにしてくれる。劇中でもリスベットの仕事仲間として、NINを部屋で流しながらバンドTシャツを着た男が出演するシーンもあったり。

物語はミステリによるエンタメを含みつつ、同時に徹底したフェミズムも感じられた。序盤リスベットが虐げられるシーンはもっと早回しでも良かったのでは、と最初は考えたが、事件の被害者がみな一様に同じ原因だったことがのちに判明し、そこで「必要な描写だった」と感じられた。

私はこの、エンタメの中にもどこか社会的メッセージが包括されたような映画が好きだ。2024の今となっては今更かもしれない。しかし放映当時、ましてやそれより前の原作リリースとなった時代にて、強く響くものがあったことは容易に想像できる。

ダークヒーローものの定番として、「どれだけ正義を執行しても悪いことには変わりない。そんな者に真の幸福は訪れない」といった具合に締め括られるのもグッドでした。それで言うなら、主人公ミカエルにももっと強い制裁があってもいいのだが、それはまぁ死にかけたりもしたし、ということで。
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