Jonayama

インフェクテッドZのJonayamaのレビュー・感想・評価

インフェクテッドZ(2018年製作の映画)
3.8
2018年公開、イギリスとアメリカの合作によるSFホラー。


新型の狂犬病が発生し人への爆発的な感染が起き人類の多くが死亡、または幾らかの知性を残しつつも凶暴な獣性を剥き出しにした感染者(インフェクテッド)となってしまった世界が舞台。
一部の人々は軍が核施設を利用したシェルターに逃げ込み息を潜めながら暮らしていた。

そこで軍部のノックス大佐や科学者のジーナが主導する感染者の研究に協力しているモーガンは過去に妻と共に感染した経験があるにもかかわらず彼だけは発症せず、感染者の用いる独自の言語を解する能力を身につけていた。
彼の力を利用して感染者を尋問しワクチン開発のため人の感染源たる"ペイシェント・ゼロ"を探す作業を日々行なっているが成果を得られず時に凶暴な感染者によって仲間が死亡するなど状況は困難を極めていた。

そんな中、運ばれてきた非常に高い知性を有した感染者"プロフェッサー"との接触が事態を大きく動かす引き金となる…







ザックスナイダー版『ドーンオブザデッド』や『28日後』あたりから始まった凶暴化した群れが全力疾走で飛びかかってくるアグレッシヴな感染者、シリアスな空気をまとった作風と『死霊のえじき』にあった軍主導の研究施設、そして知性を持った感染者の存在をミックスしたようなホラー映画で、90分を切るコンパクトな尺と限定されたロケーションからやや小粒なB級的印象を受けるが画面に映る部分の作り込みは健闘している映画で個人的にはアクションありのホラー映画としてなかなか楽しめた。
カメラワークも手堅くしっかりとした作りで安っぽさもないので大作映画の貫禄はないものの良質なB級映画として十分な魅力を感じた。


また個人的に好きな『ゲームオブスローンズ 』のナタリードーマーとジョンブラッドリー、『ヴァイキングス』のクライヴスタンデンが出演していて嬉しい。
そして『ラブリーボーン』をはじめ様々な映画でクセのある役をこなしてきた名優スタンリートゥッチが演じる高い知性を有した新種"プロフェッサー"が主役を喰う勢いで強烈。素晴らしいキャラクターだ!


どこか2010年代以降の洋ドラ的なテイストと主人公との長い戦いが続きそうな構成も含め映画というよりはドラマとして展開しても良さそうな作品だった。
感染者は腐っていたり生者を殺すが食べるわけでもないので厳密にはゾンビモノとは違うがそのテのホラーが好きな方なら比較的楽しめるのではないだろうか。
Jonayama

Jonayama