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エル ELLEのmovieJackのネタバレレビュー・内容・結末

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞中
主人公「ミシェル」は50才前後位の設定だとは思うけど
自由奔放感が凄く
またそれに加え性欲が凄まじい💦

女性って皆あんな感じなの…
おフランスのお国柄なのか
彼女が特異なのか
私が知らないだけで世の男女はあんなに楽しんで…
いやっ💦
あんなに乱れているのか…(笑)
って捉え所の無いハレンチな人達の群像劇かとモヤモヤ感が半端なかった

後に解説等を見聞きし
今作においても物語の本質が直ぐに汲み取れない情けなさ
過去の事件が実はこうだった的な展開を深読みし過ぎて自滅だが…
今回も映画通と呼ばれる人達との違いが痛感された…


【以下解説等の影響を含めた記録…】

序盤は謎だらけだが
徐々に色々な背景が露になると
彼女は過去に父親が起こした事件のニュース映像により周囲に知られる存在となり
恐らく悲惨に蔑まされた幼少期を過ごした事は想像でき
彼女は何も悪くないのだから被害者とも言えるが
終始父親同様に犯罪者的に扱われ生きてきたのだろう

その為に血の滲むような努力で今の地位と財力を築き
自他共に認める強い女性となり
また犯罪やウソ等についても許せない強い正義感を持ち合わせた為に不倫さえも隠していられない性分で
我慢できずに親友に公言したのかもと思えた…
なぜ親友の彼とヤっちゃうの?とも考えたが
その彼女を許す親友も含め
浮気するような男は捨てちゃえ的な発想は女性なら共感できるのか…

また両親への怨みは計り知れず
母親にも毒しか吐かず全否定を繰り返す言動も当初違和感があったが当然であろう
ミシェルの金で遊んでいる母親の行動にも問題は有るのだが母親も事件で人生が狂った被害者だろうか

また彼女は自分に敵意を持っている世間や被害者達にも
あんな父にヤられる被害者側にも責任があり
私なら抵抗し撃退できるのにと妄想し
逆恨み的な感情を常に持っていたと思え
あの撃退を妄想するシーンとか…

しかし冒頭
実際に自分が襲われると抵抗虚しくあっさりと被害者になり
その後の冷静な行動は初めて被害者意識が理解でき真摯に受け入れざるを得なかったからだろうか

そして事件を公にするとどうなるか過去のトラウマから熟知している為
自分で犯人探しを行うが
復讐心があるものの彼女はその行為自体には欲情するという相反する感情が芽生えた為
その行為を自身から求めているようでもあり
複雑に揺れ動く深層心理が垣間見れた

そして犯人の男についても
あんなに円満な家庭を築き
真面目な性格の裏に隠れた異常な性癖や今まで犯罪を繰り返していたなら
計り知れない二面性を感じ
犯罪者のその人格まで全否定する完全悪とは言い切れず
ミシェルは父親の心情を少しは理解でき墓標にも寄り添えたのかもしれない
罪を憎んで人を憎まずみたいな感じか…

また恐らく
彼女と両親との親子関係は崩壊していたため自分の息子も愛せず
育児放棄的に親友が乳母として育てた為
その反面教師からか息子はどうしても自分の子供が欲しく
愛したかったのだろうか…完全に肌の色が違っても

終始人間の多面性が描かれているとのことで理解出来ない?な部分も多いのだが
隣人の妻は夫の性癖及び犯罪行動を知ったうえで共に暮らしていたという事に最後の最後までゾッとさせられ
平和ボケし忘れている我が身に
ヤッパリ人間の本質は解らないという事が再認識させられた
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