Tai

エル ELLEのTaiのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.5
いやいやいや、変人さんばっかり!

突然、自宅で覆面男にレイプされるミシェル。
衝撃的な物語のスタートに、この事件の行方を追う話かと思えばどっこい、ミシェルという人物の闇に迫る内容でした。
予告編から想像していたものと少し違いはありましたが、内容を察してからは、これはこれで。

自宅でレイプされても警察に通報しないミシェル。
動揺しているのか、していないのかもよくわからない様子は事件よりも彼女に不気味さを感じてしまいました。
事件以前から彼女の内側に潜むもの。
それを一枚一枚めくっていくと衝撃のバックボーンが見えてきます。
その闇の深さは衝撃的でした。

しかし、それはミシェルだけには限らず、その周囲の人物たちも。
最初は物語が進むにつれ彼女以外の人物のことも分かっていくのですが、親しい友人、親切なご近所さん、あの人もこの人も一皮剥けば内面は…
赤の他人からみると突っ込みどころ満載な人達の影の部分は許容できるものから、およそ理解できないものまで。
無知な程、善意の塊だと思っていたアノ人まで影を見せた終盤には背筋がゾクりとしました( ´ 言`; )

しかしこの薄気味悪さ、もはや一周まわってコメディですね。笑えませんが(笑
監督から「こんな人いるよね?」なんて世間の内側を言われている気がしました。
自分の周りにいる普通の日常を送っている人達だって実は…なんて。
Tai

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