ちぬちぃぬ

あなた、その川を渡らないでのちぬちぃぬのレビュー・感想・評価

4.3
美しい自然豊かな山間部の小さな村で
夫婦で暮らす二人

妻89歳
夫98歳
結婚歴76年

これはホントにドキュメンタリーなの?と
思ってしまうほどの精度の高い映像
その構図…被写体の人物に指示しなくて撮れるのは凄いな。。。なんて思ったりもしました

実は私、映画が始まって僅か1分辺りでもう泣きました
それで正解でした。正解って変やけどその後は笑ったり泣いたりしっぱなし

中学1年生のカップルみたいに戯れあってみたり
凄く綺麗なお揃いの韓服を何着も持っていて、他所行きとか特別な時に二人で着てるのが可愛かったです💕

んー…この感じは既視感があるなぁ
元夫の両親とか私の祖父母とかね
(さすがに双子コーデとかしなかったけど)

この家では2頭の犬を飼っていて、どちらも小さめの雑種?かな
黒い子は繁殖期らしくて…軽すぎる犬小屋を引きずって勝手に彷徨いてしまう
小さい犬が、犬小屋を引きずって向こうからやって来たら笑っちゃう(´ω`)

白い子が亡くなって土葬する(ただ埋めるって言ってもいい)すっかり物体と化した犬を見るのは辛かったけど
そういうものだと知ってる自分もいるのよね
そしてしばらくしたら、黒い子はやっぱりどこかの(教会にいるオス犬)ヤツに妊娠させられてましたね
そんで円山応挙とか長沢芦雪が描いたワンコたちの様な赤ちゃんが6頭✨
ばあちゃんはワンコに自分を重ねていた
妊娠・出産の経験があるものならね
ばあちゃんは12人も子を産んだんだし
…3人の私でもそうなると思う

もうすこしで100歳に近いじいちゃんの体調が悪くなって来ると
この感じも既視感…自分の祖父、祖母、父が特に近くで見ていた感覚だったから。
人の一生の終わりを見せてもらったと思う
貴重なことです

この作品でも一番大切なのは
目を逸らさずに人の最期の姿をしっかり見届けることにある気がするんよね

誰だって生まれたら、いつか必ず、絶対死ぬけど
【老衰】といえる状態までは、身体って生きようとしてるんだなーって思う
この作品だと、じいちゃんが凄く咳するようになって痰がよく出るようになる
そういうのも身体が抗ってる証だし

【老衰】は身体も「もう死んでええよ〜」な状態なんかもしれないです

この世代の人は戦争もあったり、相当な苦労なさってると思います
最期までいっぱい「愛してる」って言ってもらって見守られて良かったですねって思うけど
若い時からじいちゃんが、ばあちゃんのことめっちゃ大切にしてきたからだよね


いや、本当に美しい映画でした🌸


むかーし むかし
あるところに
お爺さんとお婆さんが住んでいました

って
こんな風景かもね




あっ!間違いに気づきました💧
ばあちゃんの子ども…12人もいません
ワンコに「同じだね〜」って言ってたんだよね
ということでお子さん6人です
スミマセン