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オクジャ okjaのReaのレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
4.0
ポン・ジュノ監督やっぱり凄いなぁと改めて唸らされました。ユーモアのセンス、テンポ良く展開されるストーリーとそれを支えるカメラワーク、その中で一際立つ静かで美しい瞬間、リレーションシップ。ミジャ役の俳優さん、素晴らしかった!そしてこの人もあの人もいる!という豪華でハマりすぎのキャスト陣。(これがNetflixの力か〜笑)個人的には良いポール・ダノが観れて楽しかった〜!

食肉の是非については個人それぞれだと思う。私は数年前から色々な理由でなるべく食べないようにしているが、食べる人を決して批判しているわけではない。まあオクジャを観た後尚更手は遠のくけども…。会社側が「勤勉なビジネスマン」として主張するように、食肉というのは現代の資本主義社会に深く根付いているものであって、単純に悪と罵れるわけじゃない。よく「買い物は投票」と言うが、安い方を買わざるを得ないという経済状況にコストを下げて大量生産するというスパイラルは絶対的に存在する。あとまあ劇中で言われるように、安くて美味ければそりゃ買うわっていう。しかし屠殺工場の現場は実際この映画で描かられる以上に悲惨だそう。この作品で監督が批判していると語る「資本主義による利潤を目的とした工場生産式の畜産」については、やはり一人一人が向き合う必要がある。

映画というエンタメとしてのinteresting、こういうテーマを扱うことで議論や考えるきっかけを与えるというアートの役割を両立させた良作。2017年の作品だけどもっと早く観れば良かった。
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