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オクジャ okjaのryotaのネタバレレビュー・内容・結末

オクジャ okja(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

不思議な雰囲気のあるSF映画でした。特に山あいのシーンがのどかで素晴らしく、巨大な豚と暮らしている違和感が全然なくてむしろ生活感があるのがすごいです。予想通りの展開になるとはいえ、丁寧で綺麗な演出は本当にすごい。

全体的にユーモラスというか、柔らかい印象にはあえてしているのでしょうか。オクジャの風貌も不気味さは全くなくむしろ可愛い印象にもなっていて、後尾シーン(レイプといってもいい)含めた屠殺場の場面が残酷に見えますが、女の子がオクジャを救出に奔走するところもあり得なくらいのアクションになっていて、妙に明るいというか、ふわっとしてます。そのテイストがとっても心地よくて、監督のしっかりした演出力が楽しめます。そう、話自体はそれほどのものでもないけど、まあ食料問題とか動物愛護とか色んな問題を背負った映画でもあるので、見る人によって捉え方色々かもしれません。個人的にはこれによって何も解決してないし糸口すら見つかってない気がしたのでモヤモヤしたままですが、まあとにかく、もうしばらくはこのまま彼らを見守るしかないのかという諦めと先送りの希望みたいなところで納得するしかないかなと。映画としてはすごく楽しくできているので、そのあたり難しいところだなあと。いや、私が気づいてないだけで、何かしらのメッセージがあるのかしら?確かに巨大豚の肉は大量に取れそうだし、美味い美味いって連発してるし、これで人類の食料問題が解決するならきっと事業としてはいいことなのだろうけどね。変異までさせて豚が可哀想だ!動物は大事にしろ!ってのは偽善に感じなくもないし、、ああ難しいわこの問題は。

ユーモラスで残酷な社会派SF映画とでもいいますか、なかなかの野心作だと思いました。「パラサイト」もそうですが、なんだか韓国のリアルをちょっと垣間見れるところも含めて見応えある作品を作ってくれる監督に脱帽です。
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