映画好きなねこ

オクジャ okjaの映画好きなねこのレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
4.0
これは…凄く考えさせられるというか、人間って本当に傲慢で…何様なんだろうとショックを受ける話でした。
山の奥地でおじいちゃんと暮らすミジャは新種のとても大きな豚(カバっぽい見た目)のオクジャと心を通わせ楽しく暮らしていた。
冒頭のオクジャが踏みつけた毬栗を取ってあげたり協力して魚を捕ったりお腹の上で昼寝をしたりするシーンがとても微笑ましくて、二人の仲の良さが伝わってくる。オクジャは話せないのに二人の話し声や笑い声が聞こえてくるようで。
ミジャが崖から落ちそうになった時オクジャが機転をきかせ助けるシーンでオクジャがどれだけミジャを想っているか、そしてオクジャの頭の良さに気付かされる。
そんな穏やかで賢いオクジャ、実はアメリカの研究所で遺伝子組み換えにより作り出された動物であり、十年前よりミランダ社により計画されていた「スーパーピッグ計画」の対象であった。
オクジャを視察しに来たミランダ社の人々はオクジャの成長を素晴らしいと褒め称えミジャとおじいちゃんに世界一の育成者としての称号を与える。そして何も知らないミジャとオクジャは引き離されオクジャは研究所のあるアメリカへ引き渡される事になる…。オクジャを連れ戻すべくミジャは単身でソウルへ、そこでALFという動物解放をモットーにした集団と出会いオクジャを守る為、スーパーピッグ計画を辞めさせる為奮闘する。
オクジャを取り戻す為に!と決意を決めたミジャがとにかくかっこいい。役者の子凄いな…と思う体当たりなアクションシーンが沢山。急な斜面を滑り(転がり)降りたり、ガラスのドアを体当たりで粉々にしたり車の上に飛び乗ったり…とにかくタフで見惚れてしまう。傷だらけになってもオクジャと叫びながら追いかけるシーンは「頑張れ!」と応援したくなる程。色々有名な俳優も出ていたらしい(無知で申し訳ない)がミジャ役の子に視線をずっと奪われてた。
研究所に連れて行かれたオクジャが無理矢理交尾させられたり、身体の一部を切られたり…見ていて辛かった。でも「可哀想」って思うのも凄く自分勝手な気がして。牛肉豚肉鶏肉魚…全てを食べてここまで生きてる私がいて、きっと今夜も明日もその先も食べるんだろう、そんな私が「可哀想」ってなんて馬鹿馬鹿しい感想なんだろうって虚しくなった。食肉加工場でのシーンも辛い。見たくない現実を嫌という程見せつけられて、こうやって貴方達の食べる肉が出来てるんですよって突きつけられて言葉じゃ上手く言えない程ショックだった。
オクジャとミジャの物語と思っていたら食育についてもしっかり描かれた作品で観る人によって色々思う部分、考える事柄があるんだろうなと。観ていて辛いシーンも多かったが心温まるシーンやクスッと笑えるシーンもあって観て良かったと思う。最後のシーンもエンドロール後のシーンもこれからを描いてて何か好き。