爆裂BOX

トイレの花子さん新章 花子VSヨースケの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.1
「トイレの花子さん」を題材にしたジャパニーズホラーです。この頃やたら製作されてた「VS」シリーズの一つですね。
幼いころから霊が見え、除霊師見習いとして師匠の美代と除霊の旅をしている雫音。ふざけて廃坑に忍び込んだロックバンドメンバーミカ、ジョーらが肝試しをしていた所、優弥の姉で一緒に参加していた亜紀が命を落としてしまう。事態に怖気づいて御払いにやって来た彼らから話を聞いて邪悪な霊の存在を感じ取った雫音は除霊の為に廃校へ向かうが…というストーリーになっています。
まずヨースケって誰だよ、っとなりますが、神奈川県横浜市で男子トイレに出ると言われる幽霊で、名前を呼んで3秒以内に逃げないと殺されるという非常に生還確率が低い怪談のようですね。まあ、男子トイレ版トイレの花子さんという感じかな。しかし言っちゃあなんですが、ローカル怪談が銀幕で花子さんと対決するとは…ゲゲゲの鬼太郎の第6期にも登場して、花子さんに一目ぼれしてストーカーしたりと花子さんとセットみたいな扱いなんだな。
タイトルで「VS」と煽ってますが、実際に対決するのは終盤数十分くらいで、物語はヨースケ主体で進んでいくので花子さんの出番は殆どないです。メインはほぼヨースケVS除霊師の戦いですね。
廃校に肝試しに行って、ヨースケの封印を解いてしまったロックバンドメンバーが呪われ、除霊師に助けを求めてヨースケとの戦いが始まりますが、主人公が廃校に行ってヨースケと交戦するのも早いですし、ヨースケの正体や師匠との意外な過去等がテンポよく進んでいきます。ヨースケも廃校だけでなく出張してバンドメンバー殺しに行ったりするのでダレ場がないのは良かったですね。
ヨースケはゾンビ顔した子供の霊で、キャラ的にはそんな魅力感じなかったかな。遠隔首絞めや毒ガス攻撃で次々人間屠っていき、主人公や師匠も圧倒する強さを見せていきます。
予算の関係か、死ぬシーンがある犠牲者は二人だけで、一人目や3人目・4人目は悲鳴だけで死ぬシーンも有りません。二人目も密室に閉じ込められて毒ガス攻撃で窒息死するので血の一滴も流れません。事態引き起こした元凶が首グル!っとなって死ぬシーンはちょっと笑った。
主人公雫音子供時代に花子さんと友人になり、霊を見かけると優しく言葉をかけますが、師匠の言う通り霊に感情移入しすぎるのは除霊師には向いてないかも。知らない俳優さんばかりでしたが、女性陣皆綺麗でしたね。
終盤、主人公がピンチに陥った時に全く出番なかった花子さんが現れ対決が始まりますが、ローカル怪談と全国区の学校怪談の主役の差か、ヨースケが全く相手にならず一方的にボコボコにされます。便器からの水津波に、水の壁で攻撃防御し、超能力で壁に叩き付け、背後からの奇襲にも水の剣で刺し貫くなど花子さんが戦闘特化過ぎる。流石に戦力差ありすぎてバランスブレイカー過ぎるし、戦いも短くアッサリ決着ついちゃって盛り上がりに欠けた所はあるかも。せめてもうちょっと知名度はあるだろう「トイレの太郎くん」対決相手にしたら良かったのに。というか花子さん登場させずに、主人公と師匠が命懸けでヨースケと死闘繰り広げる展開の方がそれまでの流れと合わせて盛り上がった気がするなぁ。後、本作の花子さん巨乳だったけど小学生じゃないの?
ラストのほっこりハッピーエンドな感じは悪くなかったと思います。でも、エンドロールの後の妙に不穏さを残す映像は何?
アイドル主演のJホラーとしては真面目に作ってあって悪くない作品だと思います。