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ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆のmatchypotterのレビュー・感想・評価

4.0
ファンジョンミン、やっぱり最高。
『国際市場で逢いましょう』以来。
この人の投げやりでぶっきらぼうでストレートな表現をする役どころ、心に突き刺さる。

今回の彼はマフィアでも、強面の警官でも、囚人でも、殺し屋でもなく、“登山家”。
組織の抗争や、悪党の拿捕、脱獄、殺人でもなく、“山登り”。

それもただの山登りではない。
地球上に14座あるとされる8,000級の峰。ヒマラヤ山脈〜カラコルム山脈にある“最も空に近い場所”と言われる場所。

登山家の歴史上でも制覇した人はほんの一握り。そして、彼はさらにその先を見据える。

この映画は実話ベースらしい。
何て壮絶で、何てアツい友情と絆の物語なのか。
「そこに山があるから」なんてカッコつけて勇んで行けば成し遂げれることでもない。

そこは“神の領域”、ヒマラヤ。
神に許され、少しの間だけ頂きにいれるその瞬間を目指し、ひたすらひたすら血の滲む訓練に勤しんで挑んだその先にある世界。

彼のその道中の苦楽を共にした後輩。最初は死にかけてファンジョンミンに助けられた“落ちぶれ”が一心不乱に彼について行ったことで、信頼できる唯一の師弟関係に。

しかし、ファンジョンミンにも抗えない体の限界が訪れ、志半ばで引退。
後輩がその意思を継ぎ、更なる頂きに挑むも、、、遭難して帰らぬ人に、、、。

8,750メートル、“デッドゾーン”。
彼と彼と同じ弟分の遺体が眠るとされるその地に、引退したファンジョンミンが再びかつての仲間たちと共に、再び舞い戻る。

それは、前人未到の“記録”や“偉業”のためではなく、“ヒューマン遠征隊”として、かつて苦楽を共にした仲間を迎えに行くために。

ただただ頂きを目指すだけでも壮絶な挑戦なのに、一度退いた肉体に爆弾抱えてる登山家が再び8,000級に挑み、その地に眠る“彼ら”と下山するなんて、、、。

そこに成果や、報酬や、地位も名誉もない。スポンサーもいない。
連れて帰りたいが、山の天候が待ってもくれない。優しくない、、、神の領域、“デッドゾーン”。
それでも彼らはそこで待つ“チームの弟”を迎えに行く。

“ホンギル兄貴”と“ムテク”。
かけがえのない絆。究極の友情。

「一緒に登ったんだから、一緒に帰る」

この最後の展開が胸アツ過ぎる。

無茶苦茶なホンギル兄貴についてきたムテク。
ホンギル兄貴の最愛の相棒になったムテク。
ホンギル兄貴の後もその意思を継いだムテク。
ムテクを迎えに行くホンギル兄貴。
そして、そのムテクとの“約束”を果たすホンギル兄貴。

どうやって撮影したのかレベルで、めちゃくちゃ本格的でリアルな登山シーン。『エベレスト3D』クラス。
そこに実話ベースの熱き友情と絆の人間ドラマ。

めちゃくちゃ良かった。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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