Tully

ハートビートのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

ハートビート(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

展開はベタですがキャスティングやストーリーのテンポが良く、楽しめます。冒頭のヒップホップシーンや途中の地下鉄ホームでのダンスバトル。パーティーでのバイオリンバトルに触発されて踊り出す場面などかなり面白い。ルビーのMCAでのクラスの描写もリアリティが感じられて良かった。それだけにクライマックスのコンクールでの作品が、案外地味に感じられてしまったのはちょっと残念だったかも。それにコンクールのエントリーが3組だけって小規模すぎじゃないですか?ほんの数秒ずつで良いので他の団体のパフォーマンス場面を、あと10件ぐらい挟めばもっと盛り上がり感が出たと思うんですよね。それが無理ならせめて結果発表を待つ舞台上にエキストラをもう30人ぐらい出しておけば良かったのに。もっと参加者の人数が多くないとジョニーが本番に間に合うかどうかのハラハラ感も出ないし。まあ、結果は読めちゃうんですけどね。ルビーのひたむきさと人柄の良さ、それが彼女の踊りからにじみ出ているのは素晴らしかった。そしてバレエクラスの、厳しいお爺さん先生の台詞も印象的でした。「不完全だからこそ常に追求し続ける」 「いつまでも終わりはない、それがダンサーとしての旅路」 これはきっと、他のジャンルの表現者であっても同意でしょう。ルビーのルームメイト、ジャジー役の 「ソノヤ・ミズノ」 も 「エクス・マキナ」 のキョウコ役とは180度変わって、恋に悩む等身大の心の弱さを持ちながら本当は優しく明るい役柄を好演。エイプリル役の女優さんも、クラスのシーンで踊っていた 「コンテンポラリー」 がすごく上手で見惚れました。
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