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動物農場のbackpackerのレビュー・感想・評価

動物農場(1954年製作の映画)
4.5
YoshihiroKubo様のFilmarksレビューにて、銀座エルメスでの公開を知り見に行きました。
これは、凄い。1954年にして未来をしっかり予見しているし、リミテッドアニメーションの素晴らしさがわかる。
ディズニーの追及したフルアニメーションより、ジブリのリミテッドアニメーションに近いからこそ、宮崎駿が称える作品なんですかね。

人間の農場主ジョーンズ氏から、正当な権利を求めて革命を起こした動物たち。
豚の長老メージャー爺さんの説いた、全ての動物は平等であり、ジョーンズのようになってはならないという教えを守り、繁栄を求める豚スノーボールは、革命の際にも率先して闘った。
しかし、ずる賢く権力欲にまみれた豚ナポレオンは、遺児となった子犬を洗脳教育し、忠実な精鋭としていた。

スノーボールの頑張りの下、豊かになることを目指す動物達だったが、欲深のナポレオンが行動を起こし……。


社会主義の行く末をアイロニカルに描いていて、とても面白い。まさしく大人に見てもらいたいアニメーションです。

馬のボクサーとロバのベンジャミンの友情、そして彼らの身に降りかかった事件。
勤勉な労働者は、虐げられ、報われない。
正直、ボクサーの流れにはショックが大きく、悲しみを禁じ得なかったです。
その後で、勉強を苦手として欠伸やら居眠りやらしてたベンジャミンが行動するのも、ジーンときました。

動きが少ない紙芝居タイプの、これぞリミテッドアニメーションって感じだったんですが、蜂起後の農具を焼くシーンの動きがインパクト強い。あそこはフルアニメーションでやってますかね?詳しくないので断言できませんが。あの炎のうねりや動物たちの表情豊かなクロースアップは圧巻です。

それと、何よりもアニメーションの表現力が如実に現れている点は、目です。
まさしく、『目は口ほどにものを言い』ですね。動物たちの感情表現は目が全てって言っても過言ではないかも。

こんな名作に出会えて、改めてFilmarksの有り難みを実感しました。感謝感激雨あられ。
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