青二歳

動物農場の青二歳のレビュー・感想・評価

動物農場(1954年製作の映画)
3.7
ソ連プロパガンダアニメを立て続けに観てすっかり洗脳された青二歳です。なので次は共産主義批判&スターリン批判をやってのけたアニメを観るぜ٩( 'ω' )وオー
ジョージ・オーウェルの風刺小説をアニメーション化。CIAの出資により製作された今作は、オーウェルの意図するソヴィエト神話を解体するに十分な仕上がりになっています。(CIAの関与は近年立証されました)
ただこの出資者が注文つけたラストほかの改変はよろしくないですね。まるでトロツキーが生きてれば理想社会が実現していたかのように見えるし、次世代なら正しい社会になるような妙な期待値があるし…共産主義批判としては中途半端だな。ただスターリン批判としての色彩は強く、製作当時のソヴィエト神話を解体するのには十分という所でしょう。

【登場キャラクター】
豚の長老メージャー爺さんがレーニン、白豚スノーボールはトロツキー、黒豚ナポレオンはスターリン。
スクィーラーはヴァチェスラフ・モロトフ、犬はチェーカー(GPU秘密警察またはKGBとも)。
農場主ジョーンズ氏は皇帝ニコライ二世、ご近所さんたちは白衛軍とか欧州諸国で、動物農場と契約してるのは大英帝国。
馬のボクサーはいろんな見方があるようですが私はスタハノフと見ます。
ロバのベンジャミンは原作とキャラ違うからなぁ…なんだろう。

10月革命までもゴタゴタしてるし、その後もよく分からないことが多いロシア革命。細かくなぞらえることはムリがあるので、だいぶ端折ったものになっていますね。
皇帝たる農場主を追い出すところや、スターリンとトロツキーの内ゲバ、その後の粛清裁判なんかは分かりやすいです。「ナンセンス!」ってやっぱり言うんだw
あと印象的なのは、ロシアは労働者革命と違ってインテリ主導だったこと。トロツキーたる白豚スノーボールが労働者階級や農奴の教育に空回りするシーンは興味深い。豚がインテリ階級で、平等と言いながらも断絶がある。
ついで風車小屋計画は感心しました。オーウェルも迷ったと思うが…やっぱり電化計画は逃せないポイントなんだなぁと感心すると共に、その成功を讃えたソ連製プロパガンダアニメーションを見たあとなので余計に面白いくだりでした。

やっぱり私は共産主義なんてまっぴらごめんだ。だけどソビエトアニメーションはどれもこれも面白いから困る(๑•ㅂ•)و✧
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