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マンチェスター・バイ・ザ・シーのyukoのレビュー・感想・評価

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「マンチェスター・バイ・ザ・シー」は海辺の小さな町。
リーはこの田舎町で愛する妻や娘達、そして気のおけない友人達と細やかながら幸せな人生を送っていた。
思いがけないこの上無い出来事が起こるまでは…
ボストンで1人ぼっちで世捨て人のように暮らす主人公のリー。
人生を謳歌する事を自分に禁じているかのように。
 故郷とは誰しにも心温まる処であり愛する家族や懐かしい友人がいつもそこに在る暖かい場所。
本来マンチェスター・バイ・ザ・シーがリーにとってそんな場所である筈。
 愛する父親を失った甥のパトリックは若い力と故郷の知人達の愛情を支えに立ち直っていくに違いない。
でもリーにとって故郷であるマンチェスター・バイ・ザ・シーは辛く悲しく痛い処でしか無い。
リーには乗り越えて先に進む事が出来ない。
何故なら自分自身を自分が許す事が出来ないままでいるから。
誰が「あなたは悪くない、許すわ」と言ったとしても、自分が許す時が来ない限り、トンネルを抜け出す事は出来ないし、故郷は遠い場所なんだと思う。
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