desperadoi

マンチェスター・バイ・ザ・シーのdesperadoiのレビュー・感想・評価

4.5
劇場公開時以来久しぶりに観たが、こんなに良い作品だったとは。
現在と過去を並行して描く脚本の構成が非常に効果的だと思う。昔と比べると主人公リーは明らかに人が変わったようだが、その原因は何なのか。判明した時の衝撃と言ったら…基本的に淡々とした雰囲気ながらも退屈することがないのは、この部分の描き方がある種のミステリー的な手法になっているからだろう。また、キャラクターに語らせ過ぎず、スクリーンに映し出し過ぎない点も良い。説明的にせず、観客の想像力に任せる演出はやはり好み。
ケネス・ロナーガンのオリジナル脚本ではあるが、この作品を観ていてエリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』を連想した。海辺の小さな町で暮らす市井の人々に起こる出来事を繊細な筆致で描く点が、媒体の違いはあれど共通しているように思う。調べるとそちらもドラマとして映像化されているようだし、チェックしなければ。
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