気づけばアテネフランセで何年かぶりに特集組まれてたジーバーベルグの、一番大人しめの作品

このジーバーベルグ、それまでのドイツ映画らしくない映画を模索していたニュージャーマンシネマの監督として数えられるのだけど、やってることは結構ドイツ表現主義っぽいところがあってむしろ温故知新的趣の感じられる作品ばかりの印象だけど、そこに特異性と作家性が見られるようにも思うからこれはこれでありなのか

で、作品自体のことを話すとカール・マイって中々に破天荒な人間の伝記的作品なんだけど、ほぼ固定カメラで美術の凝ったセットとその中の人間を静かに映すようなシーンばかりで、しかもそれが三時間も続くから芸術的であるものの中々に倦怠感を覚える作品になっていた

これが90分程度ならまだ良かったのだけど倍の時間はさすがにキツくて、同じ時間でブレッソンとかの短めの作品2本見た方がいいと思えてしまった

ハンス＝ユルゲン・ジーバーベルクのドイツ３部作の内の1本。
だが、残り二本と比べて誇大妄想感がなく、至って普通の劇映画の手法で撮られている。
そうした場合、ジーバーベルクに基本的な演出の力が無いことが浮き彫りになっており、全然面白くなかった。
化けの皮が剥がされる感じ。

ジーバーベルグそのものだなカールマイ