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アルビノの木のMKのレビュー・感想・評価

アルビノの木(2016年製作の映画)
2.0
鉱石採取場で突然変異的に生まれた白鹿様こと役場が駆除したがっている害獣にまつわるお話。

テーマや素材をみると文明の衝突とか原理主義と資本主義の矛盾とかはたまた回顧主義的な皮肉とかいくらでもやりようもありそうだし、あるいはもののけ姫とか手塚治虫の脳が肥大化してしまった鹿のエピソードを思い出したりとかなり期待したのだけれど、上がったハードルの下を通りすぎるように観てしまった。

時間の都合だろうけど、設定やいきさつが唐突すぎてどうしても没頭出来ない…。
狩猟が副業の運転手とそんな猟師に依頼するどこぞの役場…擦り傷で済む罠にかかり出会ったその日に唇を許す神聖な村の娘、にわか猟師に一撃で仕留められる白鹿様…粗探ししたわけじゃないけど、崇高なテーマだけに、動物を神聖化して崇めなければならなかったムラの事情や、そんなものを排除しなければならない力学とか祟り、怨念、そんなものにまで飛躍するような物語を想像していただけに消化不良でならなかった。

自然に親和的なこの国の自然観とかが海外で受けたのかなぁ。でもそこに至るような思想は自分には伝わってこなかった…残念。

石橋英子さんの音楽は本当に素敵、だから余計に残念。
…またライブ行きたい。
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