秀吉と利休の関係はいろいろ語られているが、いろいろ語られるくらいによくわからない。わからなくてちょうどよいのかもしれない。
ふたりの関係を悪くしていく者として登場するのが、石田三成。本作では吉田栄作が演じている。この男もいろいろな描き方をされていてよくわからない人物だ。近々、『関ケ原』が公開されるが、司馬遼太郎は好意的に描いていた。
で、本作の主人公は池坊専好という花僧。花僧といってもよくわからないけど。慢心した秀吉を諫めるため前田利家邸を使って仕掛ける、というのがクライマックス。
少しばかり長く感じたし野村萬斎の表情は作りすぎに思うけど、退屈はしなかった。
エンドロールで現在の池坊の役職者の名前がずらずらと並んで流れていたけれど、東映お得意の企画ものか。
1970年代に製作した『・・・三代目』等の作品群も役職者の名前を並べておけば資料的価値が上がったのに。