たむ

殺人の輪廻のたむのレビュー・感想・評価

殺人の輪廻(2015年製作の映画)
3.0
プロットが非常に興味深い韓国ノワールです。
被害者の恋人、加害者の娘、そして刑事の三人を主人公にして、10年に及ぶ殺人事件の影響が描かれます。
終始、暗い画面とトラウマに苦しめられる作品で、殺人事件に一生付きまとわれるような残酷な世界観です。
さらに10年前の事件の真相もドンデン返しがあり、その傷はさらに深々と刺さってきます。
ただ、映画としては考えすぎな、観念的な印象は拭えません。
特にクライマックスの火曜サスペンス劇場的な展開は、それまでの展開から急に陳腐な印象になってしまいます。
テーマが興味深いため、作り手も頭でシナリオを作成してしまったのか、登場人物の感情や伏線よりも、頭でっかちなテーマの詰め込み型になってしまった感じです。
とは言え、興味深いテーマの追求やキャスティングは面白く、観て良かった作品ですね。
たむ

たむ