ゆっきー

Wise Blood(原題)のゆっきーのレビュー・感想・評価

Wise Blood(原題)(1979年製作の映画)
4.0
これは傑作。ヘルツォーク映画でもキレまくっているブラッド・ドゥーリフ(若い!)のいらちキャラ全開。『キリストなきキリスト教』という煽り新宗教を立ち上げるが挫折し、半壊の愛車の最期とともに自分の目をつぶすし、有刺鉄線を体に巻きつける狂いっぷり。

これ見たやつはだれもが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を思い出すと思うが、(元ネタか?) こちらのほうがはるかに上です。

その当時の時代の空気感を保存できることも、映画の魅力の一つでして、この映画は、70年代の人、街が切り抜かれてそこが良かったりする。

ドゥーリフの異常な行動が、さも平然と画面に映りこむ演出にはドキりとするし、アントニオーニの『さすらいの二人』のようなラストもショッキングであった。
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