パロディ精神溢るる喜劇的展開に笑ってしまう。とくにブラッド・ドゥーリフにつきまとうダン・ショア。突き飛ばされ道路に気絶してる姿や美術館からの泥棒、ゴリラの着ぐるみ強奪はトラックの荷台を映すだけでスラップスティックを想像させるあたり演出に手慣れたヒューストンらしい。
ゴリラの着ぐるみのまま夜の街を悪戯しながら走り回ったダン・ショアがベンチに腰掛け、気が抜けたように口から洩れる台詞の孤独さが忘れがたい。ブラッド・ドゥーリフはすべてが異様(眼差しも説教も行動も)なのだが、それ故に動きが封じられても狂気に浸るラストの姿が悲哀に満ちる。