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あしたのパスタはアルデンテのmumbleboyのレビュー・感想・評価

3.7
2作続けてイタリア映画を観ました。やはり自分はフェリーニやアントニオーニだったり往年のイタリア映画に対する憧れがかなり強くてあの頃の様などこを切り取っても絵になるかっこいい映画を観たいという欲求が強く、現在のイタリア映画にもそれを無意識に要求してしまっているのかも知れません。大概期待する様な作品に出会えることはないのですが、その叶うはずもない無理な願望を除けば今作は普通に面白い映画だったと思います。

でもまずはこの邦題、適当にもほどがすぎる。パスタ製造を担う会社を経営する一家を中心としたストーリーではありますがパスタを作る話では全くないのでこの題だと、てんでおかしいです。本編の方は自分はイタリアには何回か行ったことはあるけど住んでた訳ではないので人々の価値観とかは全然わからないのですが2010年公開のこの映画でまだここまで保守的な価値観が描かれるのかと思いました。イタリアって九州みたいに男尊女卑な感じで保守的な人々にとってはLGBTは全く認められないという感じなのでしょうか。まあそこを中心に本作はストーリーが展開していくという構造なのでそれを変えたら全く成立しない話だと思いますが題材的にはもっと昔に作られた作品かなと思ってしまいました。あとはゲイであるはずの主人公トマーゾがニコール・グリマウド演じるアルバを恋愛対象として見ている様な下りがあったのが不思議でした。その関係はあやふやなまま終わってしまうのですが、これ何って思いました。ゲイと言えどもやっぱり異性愛者な部分はある、みたいなことを言いたかったのかトマーゾは元々バイセクシュアルだったのかわかりませんがちょっと変に思いました。色々とてんこ盛りで楽しめました。
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