Maoryu002

あしたのパスタはアルデンテのMaoryu002のレビュー・感想・評価

3.6
レッチェのパスタ会社の次男トンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)は、作家志望でゲイであることを家族に告白しようとするが兄に先にカミングアウトされ、保守的な両親はトンマーゾと共同経営者の娘アルバ(ニコール・グリマウド)に経営を託す。トンマーゾは両親の期待と自分の夢の間で思い悩むのだった。

けっこう二枚目なリッカルド・スカマルチョが終始、困ったような三枚目の顔で見せる演技が楽しかった。
そして、病室に愛人を連れ込むけど、ゲイは絶対ダメという、とんでもないオヤジさんを中心とした、保守的な人たちの反応も笑えた。

一方で、“なぜ俺は気付かなったんだ!” って、あの差別的反応は、田舎だからとか10年以上前だからとも言い切れず、今もまだ根強くあるような…

アルバの存在は唐突な気がしたけど、ド近眼の叔母の色仕掛けに視線の合わない会話、家政婦のやたら上手い歌、ゲイの友人たちとの食事など、シュールな笑いを生み出すための、ちょっと苦しい仕掛けの一つなんだなと納得。

いくつもの変化と受容性を予感させるカオスなラストは “人生の舞台は無限” という言葉に尽きるだろう。

それにしても、邦題は意味不明だ。
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