Toku

ウインド・リバーのTokuのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.8
気になった言葉
「裸足で走れる距離って?」「分からない。生きる意志次第だ。極限状態だからな。あの子は、強い娘だ。君の予想ははるかに超えてただろう。」

時が癒すと言うが実際は違う。気休めに過ぎないが、痛みには慣れる。
一度、遺族のセミナーに行った。妙だよな。抜け出したくて。ありもしない答えを探してたんだ。あの時、カウンセラーに言われた言葉が、ずっと頭に残ってる、内容より言い方のせいかもしれないがな。“いい知らせと悪い知らせがある。悪い知らせは、君が決して元には戻れないこと。娘の死を埋められるものなどどこにもない。いい知らせは、事実を受け入れ苦しめば、娘と心の中で会えること。娘がくれた愛も喜びも覚えてられる。”
痛みから逃げちゃダメなんだ。逃げると失う、娘との思い出すべてを。一つ残らずな。初めての一歩から最後の笑顔まで、消えちまう。苦しめ、マーティン。とことん悲しむんだ。共に生きたいなら。

ここに運はない。都会とは違う。運なんて、バスと衝突するかどうかとか、銀行強盗に出くわすとか、横断歩道で事故に遭わないかとかだ。ここでは生き残るか、諦めるしかない。強さと意志が物を言う。獲物になる鹿は不運なんじゃなく弱いんだ。

気になった音楽たち
See You In Hell/Joey Stylez
Feather/William Wild
Diamonds & Gasoline/Turnpike Troubadours
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