Horace

ウインド・リバーのHoraceのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.4
88点

デヴィッド・マッケンジー監督の「最後の追跡」の脚本を担当したテイラー・シェリダンの監督デビュー作「ウインド・リバー」は大きな関心と期待を持って見られていた。そして、「ウインド・リバー」はなんという監督デビュー作なのだろう。緊張感、不穏な不気味さをほぼ完璧なバランスで処理し、ゆっくりと進むにもかかわらず、「ウインド・リバー」はほとんど説得力があり、退屈することはほとんどない。

ビジュアル面でも「ウインド・リバー」は非の打ち所がない。風景は素晴らしく、かつ荒涼とした雰囲気があり、今年度これまでで最も美しい撮影が行われている。音楽は、あからさまな演出ではなく、適度に心を揺さぶるものである。

登場人物の個性がよく出ていて面白いし、演技も見事だ。ジェレミー・レナーは、彼の能力を最大限に引き出す役柄で最高の演技を見せたが、挑戦している様子はまったくない。エリザベス・オルセンも、『羊たちの沈黙』のジョディ・フォスター演じるクラリス・スターリング以来、最も説得力のあるFBI捜査官を演じており、かつてないほどの演技を見せている。また、脇役陣の演技も素晴らしく、特にギル・バーミンガムの演技は胸を打つ。
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