ジュライ

ウインド・リバーのジュライのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.8
寒い地方の話ってことくらいしか事前情報を仕入れずに観はじめ、「事実を基にしてる」と最初にアナウンスが出るし、裸足で雪の中を走るので、もしやディアトロフ峠モチーフかと思ってウキウキしたけど違いました。
具体的になにか特定の事件というよりは、アメリカンネイティブがこういう状況にある、ということを描いてる話。

ロングショットが多いので画面が白くてきれいだし、ストーリー的にもケレン味たっぷり。
主人公がハンターという設定なのがちゃんと活かされてるのが良いです。
ハンターだから獲物を逃がすことはしない。
ハンターだから徒歩の人間なんて的としては雑魚の部類。
警察でも軍人でもない一般人で、射撃の腕と精神的なブレなさを併せ持つ職業としてはハンターって実際に上位ランクに入りそうだし、ジェレミー・レナーの佇まいに説得力があり、単なる「冴えないようで実は強いおっさん無双」の映画とは一線を画しています。
司法の手もまともに届かない地域だからこそ、犯人を正当な「裁きを下す者」に委ねず復讐という結末を迎えるしかない、そこも含めてあの地域の現実であり悲劇なのでしょう。

最初に撃たれてたコヨーテ、結構リアルに見えたけど、あれCG?
ピューマはあんまり極寒地域にいるイメージなかったけど、生息地域広いんですね。
ひとつ学びを得ました。

エリザベス・オルセンの、なんかいつもどこ見てるのかよく分からないような目がミステリアスで好きです。
ジュライ

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