aio10s

ウインド・リバーのaio10sのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.0
寒さと静寂以外の全てを奪われたネイティブアメリカンの保留地ウインドリバーで起きた事件を白人のハンターと若きFBI捜査官が追う。

「ここには運はない。生き延びるか、諦めるかしかない。それを決めるのは強さと意思だ。」

ミステリーかサスペンスかと思っていたら、いい意味で裏切られました。重いテーマを背景にしつつ、スノーモービルでのアクションあり、家族のドラマありの良作。

一昔前の映画ならネイティブアメリカンの年長者が白人の若者に囁いたような台詞を、コリーがセミナーの講師の話としてマーティンに呟く。死化粧の逸話とあわせて、疎外された地に住む彼らもまた現在を生きるアメリカンだと気づかされる。
若きFBI捜査官に服を貸すシーンも終盤にきいてくるし、メッセージが伝わる締まった映画でした。

娘2人の写真を見て頷くシーンにぐっときました。ジェレミー・レナー、いい役者だなあ。
aio10s

aio10s