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ウインド・リバーのバロウズのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.3
「ボーダーライン」「最後の追跡」で一躍有名となった脚本家、テイラーシェリダン監督作品。

ワイオミング州の先住民移留地「ウインドリバー」で見つかった少女の遺体。
FBIから派遣された女捜査官(エリザベスオルセン)は地元のハンターであるコリー(ジェレミーレナー)の協力で事件の真相に迫る。

とにかくこの映画緊迫感がすごい。容疑者の家へ突入するシーンなどは緊張の糸がピンと張られているようで、思わず手の汗握ってしまう。
そしてその糸が切れた瞬間、壮絶なバイオレンスが巻き起こる。

まさに「静」と「動」のような映画で、静かな場面でも何が起こるかわからない。そんな緊迫感が全編にわたって付きまとう。

そして何よりジェレミーレナーがカッコいい!彼の出演作の中でもベスト級のカッコよさ!(次点で28週後のドイル軍曹)

アメリカ田舎の暗部、抜け出したくても決して抜け出すことのできない閉鎖的なコミニュティが舞台という点では、ジェニファーローレンスの出世作「ウィンターズボーン」を彷彿とさせる。
そんな重苦しい社会派なテーマを扱いつつ、一種の西部劇のようなエンタメ要素も盛り込んでいるため退屈することなく見ることができた。

終盤ジェレミーレナーがいうセリフが印象的。
「この地では運なんてものはない」

そしてこれは冬に見る映画ではなかった。画面を通して凍てつくような寒さが伝わってくる。夏の劇場公開時に見に行っとけばよかったと後悔。
実際、この映画の撮影時は雪が溶けるぐらい暖かったらしく、それをここまで寒々しい映像で見せるのは素直に凄いと思ってしまった。
テイラーシェリダンにはこれからも期待
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